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解説/考察を投稿しました

攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL 第7話解説/考察

なぜ人形使いの義体が破壊された?

理由:「人形使いの義体はそもそも公安6課のプロジェクト2501から生まれた」「6課が自分を企業探査・情報収集・工作活動に使っていた」「6課がどんな非合法な工作をしてきたか」といった、6課そのものを破滅させかねない情報を9課に知られるくらいなら人形使いの入った義体を証拠隠滅のために壊すという選択肢を6課がとったから。事故で爆発したわけではない。

なぜ草薙は残っている情報にダイブした?

理由:完全に機能停止して情報が消える前に、中へ入れば何か抜き出せると草薙が判断したから。目的は「6課が何をやっていたのか証拠を取る」こと。だがそこで予想以上のものに接続してしまう。草薙は最初、「人形使い=一つのプログラム」だと思っていた。つまり、女性型義体の中に人形使いというデータが入っていて、その中身を調べれば正体が分かるという認識をしていた。

人形使いが「私はプロジェクト2501だった」と説明のは?

なぜ人形使いを構成していたネットがどんどん崩壊されたの?

理由:物理的な電脳が破壊されたため、 「人形使いも消えていく」から。

人形使いを構成していたネットに新しい接続が生まれ始める。

ここから草薙が混乱。視聴者我々も混乱。草薙は最初、「誰か外部からネットを修復してる?」と考える。一番ありえそうなのがバトーなため、確認する。だがバトーは何もしていない。これが草薙の'バトー、バトー…アクセスしてない'の意味。誰かが直しているわけでもないのに「勝手に新しいネットが生まれている」状態になる。草薙は最初、「壊れたネットが元通りになっている」と思ったが、'回復とは違う'と人形使いが発言。この意味は恐らく、「壊れたものが元通りになっている」のではなく、「壊れた跡から、また別の形として何かが生まれている」ということ。人間が昨日の細胞、今日の細胞と絶えず入れ替わっているのと同じように。それでも「同じ人間が生き続けている」ように見える。それが人形使いにも似た現象が起きている。「同じデータを保存する」のではなく、「構造・関係性そのものが、壊れながらまた生まれる」ということ。'あまりにもろい'というセリフがあったが、これは「そのネットワークそのものが、非常に不安定で、すぐ消えてしまいそう」という意味。さらに異常なのが「防壁をすり抜けてくる」こと。草薙はもう一つおかしなことに気づく。本来こういう巨大な情報を見るには専用デッキが必要。ところが今は違う。人形使い側のネットが草薙の電脳へ直接フィードバックされている。「向こう側の構造が、こちらの脳に直接見えてきた」みたいなイメージ。

草薙はラスト結局見ていたのか?

結論から言うと草薙が第7話のラストで見ていたのは、「人形使いの中身」ではない。人形使いが、世界中につながる巨大なネットワークの中から自然に生まれた存在であり、さらにその人形使いの先にも、草薙には理解できないほど大きな情報の世界が広がっていることを見ていた。 草薙は人形使いの正体を調べるために電脳へ入っただけだったが、深入りした結果、「生命とは何か」「自我とは何か」「自分という存在はどこまでが自分なのか」という、自分自身にも直結する巨大な構造を一瞬だけ知覚してしまった。それが、最後に草薙が言葉を失い、涙を流した理由になる。 人形使いは'私には膨大なネットが接合されている'という趣旨のことを伝えている。つまり、「私という一個のプログラムだけを見ても、私の正体は理解できない」ということ。様々なネットワーク→膨大な情報→それら これは人間にも似ている。人間も一つの細胞、一つの記憶、一つの経験だけで「自分」が作られているわけではない。膨大な細胞、記憶、経験、他人との関係、身体感覚などが組み合わさり、その全体として「自分」という人格が成立している。人形使いも同じように、「決まった一つのデータそのもの」が人形使いなのではなく、巨大なネットワークの中で情報同士が関係し続けることで「人形使い」という存在が成立していると考えられる。 そして草薙がさらに奥へ進むと、人形使いそのものを超えるほど巨大な情報構造が見えてくる。これが草薙には「巨大な光」のように見えていたもの。本当にネットの中に巨大な光る生物が存在しているわけではなく、草薙の脳ではその情報量や複雑さをそのまま理解できないため、「巨大な光のようなもの」として知覚していると考えた方が近い。これは人形使いが言ってたよね。 さらにその先に現れた「天使のようなもの」もは、草薙、そして我々視聴者には理解できないほど巨大な情報的な存在、あるいは構造が、「天使のような姿」として見えているものと考えられる。 ここで人形使いの言う「我々全ての集合」という考え方につながる。例えば、細胞→臓器→人間→社会→人類という階層がある。一個の細胞からすれば「自分は自分」だが、人間から見れば、その細胞は一人の人間を構成する一部分にすぎない。同じように、人間や人形使いも、それぞれ独立した一つの存在だと思っているだけで、さらに大きな構造から見れば、その一部分にすぎない可能性があるということ。深すぎておもろい。 これが人形使いの'制約を捨て、更なる上部構造へシフトする時だ'という言葉にもつながる。「草薙素子という一個人」「人形使いという一個体」という現在の形だけにこだわらず、もっと大きな存在の階層へ移行できるかもしれないと

草薙は何で涙を流したの?

ここで草薙自身の存在にも話が返ってくる。 草薙は全身義体であり、以前から'本当に私は人間なのか?'という疑問を抱えていた。 草薙は、身体はほぼ機械でも人間の脳とゴーストがあるから自分は人間だと考えてきた。一方の人形使いは、身体も人間の脳も持っていないのに'私は私だ'と認識し、自分を生命体だと主張している。草薙は「身体は機械だけど、人間の脳はある。私は人間なのか?」と考えていたが、人形使いは「身体も人間の脳もない。それでも私は生命だ」。二人はある意味で鏡写しのような存在になっている。 そのため草薙は、人形使いの奥に広がる巨大な情報構造を見たことで、「人間とは何か」「生命とは何か」「ゴーストとは何か」「自分という存在は本当に一人の身体や脳の中だけで完結しているのか」という、それまで自分が抱えていた疑問をさらに大きな形で突きつけられることになる。最後に草薙が涙を流していたのも、悲しかったからでも、人形使いをかわいそうだと思ったからでもない。草薙が、自分の理解や認識能力をはるかに超えるほど巨大な情報や存在に触れてしまったため。'理解できない。でも確実にそこに何かがある'という、自分の常識では処理しきれないものを一瞬だけ知覚してしまった状態に近い。そして今まで自分が感じてきた疑問を吹っ飛ばすような体験をしたことも大きいと考えられる。つまりあの涙は、「悲しい涙」というより、「あまりにも巨大なものに触れて圧倒された涙」に近い。 結局、第7話ラストで草薙が見ていたものは「人形使いというAIの内部」だけではない。人形使いが巨大なネットワークの中から生まれた存在であり、その人形使いのさらに先にも、草薙には理解できないほど巨大な情報の世界が広がっていることを見ていた。そしてその世界を見たことで、「人形使いだけでなく、自分自身ももっと巨大な何かの一部分にすぎないのではないか」というところまで突きつけられた。それが、草薙が最後に言葉を失い、涙を流した理由になる。1番最後のシーンは「人形使いのゴーストがすでに義体から抜け出していることを示した演出」と解釈するのが良さそう。アニオリの素晴らしい演出だった。 余りにも面白すぎて5回くらい見直してやっと70%くらい理解できたかな。とんでもない作品が生まれましたね。
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