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にこぽ

にこぽ

@にこぽ

14件

最終楽章 響け!ユーフォニアム

10.0/ 10.0
✓視聴済み
1/ 1話

託される響き

最終的に、これまで積み重ねてきた『響け!ユーフォニアム』という物語を、素晴らしい形でまとめてくれた映画だったと思う。 後編の中で一番心に残ったのは、あすか先輩から受け継いだ曲が、久美子から後輩へ、そしてさらにその先の後輩たちへと受け継がれ、演奏されていく場面。 久美子たちが卒業しても、北宇治で過ごした時間や想いまで終わるわけではなく、形を変えながら次の世代へ続いていくことが伝わってきた。 また、文化祭で久美子と麗奈が一緒にソリを演奏できたシーンも良かったな。そして、真由という人物をより深く知ることができたことも良かった。 物語だけを追えば、久美子からユーフォのソリを奪った子、という印象が残ってもおかしくないキャラクターだったと思う。 しかし後編では、真由には真由のこれまでの人生があり、彼女自身も様々な感情の中で葛藤していたことが丁寧に描かれていた。 真由側の物語を知ることで、あのオーディションに至るまでのふたりの感情が、より立体的に見えるようになった。 それから、いつもどこか強がっている奏が、素直に「先輩やめないで」という気持ちを見せて号泣したシーンも印象に残った。奏というキャラクターを見てきたからこそ、あそこで感情が一気に溢れ出したことにも納得した。 ただ、その直後にはかなり普段通りの会話に戻っていたので、個人的にはもう少しあの感情の余韻を残し、その空気に浸れるようにしてほしかったとも思う。せっかく奏があそこまで素直な気持ちを見せた場面だっただけに、もう少し余韻を引っ張ってくれたら、より心に残った気がする。 また、個人的にあすか先輩が好きなのもあり、後編でももう一度登場してほしかったという気持ちは残った。これまで久美子に大きな影響を与えてきた人物だからこそ、シリーズの最後にもう一度その姿を見たかった。 そして、美知恵先生もやっぱり好きだったな。「おまえら」と普通に言ってしまうような少し口の悪い先生なのに、全く嫌な感じがしない。厳しさの中にちゃんと生徒への愛情が見える人物で、後編でもその人柄が印象に残った。 これで本当に物語が終わってしまったのだと思うと、少し寂しい気持ち。卒業した久美子、麗奈たちが、それぞれどんな人生を歩んでいくのか、またいつかそんな物語が見れたらいいのにとも思った。 それでも、あすか先輩から始まったひとつの曲が、久美子を通して次の世代、そのまた次の世代へと受け継がれていく場面を見ていると、この物語はここで終わっても、その世界の中ではこれからも続いていくのだと感じられた。 その最後を、この後編で、映画館で見届けることができて本当に良かった。この物語を薦めてくれた方に感謝!

89

我々は宇宙人

9.0/ 10.0
✓視聴済み
1/ 1話

整理できない感情を抱えて

観終わったあと、人間の描写の生々しさが残った作品だった。 その中でも特に印象に残ったのが、小学校3年生の描写のリアルさだった。 中でも忘れられないのが、翼の母親が作り置きしたカレーをテーブルに置き、「温めて食べて」とメモを残していたシーン。翼はそれを温めることもなく、冷蔵庫から牛乳を出し、冷めたカレーに直接ドバドバとかけて食べていた。 見ていて少し可哀想な気持ちになり、胸がざわついた。でも同時に、「小学校3年生なら、こういうことを本当にやりそうだ」と思った。 この作品には、そんな「実際にありそう」と感じさせる描写が随所にある。登場人物の気持ちも、行動や表情、置かれている状況から、見る側がいろいろと想像できるようになっていた。 そしてふたりの家庭環境についても少し考えさせられた。暁太郎の家には、おばあちゃんや妹もいて、少なくとも家に帰れば誰かしら家族がいる家庭だったように見えた。一方の翼は、どちらかといえば放っておかれているように感じる家庭環境だった。 そう考えると、むしろ翼のほうが、後の暁太郎のような生きづらさを抱える大人になっていても不思議ではないように思えた。 実際、翼には中学生の頃に少しぐれたような描写もあったのだが。子どもの成長に家庭が与える影響は大きいと思うので、ふたりのその後が対照的だったことには少し意外さも感じた。それと同時に、やった側が家庭を持ち、人並みの幸せという環境を手に入れ、やられた側はずっと苦しみ続けるという状況もリアルなのかもと感じた。 また、成人した暁太郎が翼に会いに行く場面は少し気になった。暁太郎はそこで初めて、ずっと小夏からもらったと思っていた手紙を、実は翼が書いていたことを知る。あの手紙は暁太郎にとって、過去の中に残されていた救いのようなものだったはず。それがその場で突然ひっくり返される。 しかも、そもそも何十年も抱えてきたものがあって翼に会いに来ている。そこへさらに自分にとって最悪とも取れる事実を突きつけられたのなら、現実では翼を傷つける行動など、危険なことが起きても不思議ではない場面に感じた。しかし暁太郎は翼に手を出すこともなく、そのまま帰る。 もちろん、それも暁太郎という人間の性格なのかもしれない。ただ、それまで人間の弱さや醜さ、子どもの残酷さまでかなり生々しく描いてきた作品だけに、ここだけは少し意図的に描写を抑えたのかな、という感覚が残った。 そして最後に、ふたりがそれぞれの車から何度も「ばいばーい」と言い合うシーン。子どもの頃のふたりを思わせる場面でもあり、本来なら温かく感じてもよさそうだが、妙に不気味に映った。その不気味さ自体も、もしかすると制作側が意図したものなのかもしれないが。 この物語は、敏感なふたりの主人公の話だからこそ、物事を前向きに割り切って生きられる人には、あまり理解できない部分もあるのかもしれない。 しかし、小学校から思春期、そして成人まで。誰もが通る時間や人との関わり合いの中で、孤独、嫉妬、思い込み、傷つき方などによって、それぞれの人生が少しずつ変わっていく。 この作品は、そうしたものをきれいに整理するのではなく、ときにこちらの心をえぐるような生々しさで描いていたと思う。 だからこそ、わずかに現実味から外れて見える場面まで強く気になってしまった。それほど、この作品の「リアルさ」は高かったと思う。とても印象に残る映画だった。

58

チ。―地球の運動について―

10.0/ 10.0
✓視聴済み
25/ 25話

人々の想いが歴史をつないでいく作品

人間の「知りたい」という好奇心や、命を懸けてでも信念を貫こうとする強さ。そして、一人ではたどり着けないものでも、思いや知識が人から人へ受け継がれ、やがて歴史になっていく。 その描き方にとても感銘を受けました。 「地」「知」「血」など、さまざまな意味を感じさせる「チ。」というタイトルも、最後まで見ることで、より深く響くものになりました。 重厚で独特な世界観もとても好きで、最後までその世界に引き込まれました。 この作品に出会えたこと、そしてこんなにも心に残る物語を届けてくれたことに感謝したいです。

154

違国日記

11.0/ 11.02026年冬アニメ1番
✓視聴済み
13/ 13話
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